Discord におけるコミュニティ維持とその課題

初代 Splatoon の爆発的に流行がきっかけになり、 Webエンジニアの一部界隈では TeamSpeak や Skype 、イカデンワといったボイスチャットツールが各々で使われていたが、それらのツールで出ていた端末や回線相性などを解決し、分散していたメンバーを集約する目的で Discord が選定され、界隈の周辺からもメンバーを取り込みながら今でも運用が続いている。
それがゲーミングコミュニティ「ポ」の経緯と今の姿である。

コミュニティを運用するということ

コストをかけずにコミュニティや組織を運用、維持していくのは当然難しい。特にコミュニティの所属にあたって心理的な負荷や障壁を持たせてしまうと、次第に顔を出しづらくなってメンバーは離れていく。過去に多くの例がある。
それを踏まえ、このコミュニティでは長い間

  • ルールを作らない
  • 管理者による入場時スクリーニングを除きメンバーの整理を行わない

という運用がなされてきた。

堆積する情報

テキストチャンネルは雰囲気で建てられ、曖昧に残されることで堆積していった。
気がつくと停止したテキストチャンネルが堆積していた。

今思えばこれは明らかな運用ミスであった。
テキストチャンネルを いつ立てるか 、そして 使わなくなったテキストチャンネルを誰がいつどのように処理するか を明確に決めないことで利便を確保したつもりが、堆積したチャンネルがユーザビリティに害を与えていた。

止まったチャンネルの処遇についても

  • 残しておくことで情報のストックにする
  • 消すことで「今存在しているテキストチャンネルがある程度動いていること」を担保する

などの意見が対立し、対応が定まらなかった。

堆積する人

メンバー退場の条件がないので、メンバーはどんどん追加されていって、そのうち何割かが休眠アカウントになった。

休眠者は放っておけばいいじゃないかという考え方もあるが、彼らが Discord 自体をやめたわけではない(他のサーバー/Guildに出入りしていて、オンラインであるがここにはいない)という状況は

  • 彼らにとって必要のない全体通知が飛ぶ
  • サーバー内で何らかの意思決定を行う時、そこに関与すべきかどうかが曖昧になる

という好ましくない状況を招く。
例えば何らかのテキストチャンネルを消したい時に、彼らに連絡を取るべきか?無限に追いかけてなんとか連絡つける?

Discordのサーバー管理者メニューに prune という機能があるが、
この機能は一定期間サーバーに顔を出していないメンバーを(確認UIを出さずに!!!)即時一括キックする。
一度暴発させた時には驚いたが、これくらい明確にバッサリと切る、そしてカジュアルに再入場させるほうが良いとも感じた。

無期限のフリーパスは問題を起こさないと考えていたが、実際はそうではなかった。
サーバーへの関与有無を明確化するという観点で言えば、好きな時に簡単に入り直せる ほうがよかったのだ。

どうしたか

  • テキストチャンネルはライフサイクルを決定した
    • 必要に応じて誰もがテキストチャンネルを立てて良い
    • しかし、 立てたメンバーが後始末をする
    • 後始末とは、1ヶ月会話がないときのゴミカテゴリへの移動ないしは削除である
  • ボイスチャンネルは使うたびに建てるようにした
  • prune 機能で休眠者を処理する運用を立てた
  • 上記項目や、管理者へのエスカレーション推奨を含むガイドラインを周知した

これらが長らくなされていなかったのは、メンバーに守るべきルールや入退場基準を押し付けたくないという気持ちの存在もあるが、 管理者が人やチャットを破壊的にメンテナンスすることから逃げてしまっていたこと でもあったと思っている。
ただ、それ自体は悪いことでも何でもなくて、単純に「メンバーにルール押し付けないのと同じくらい、コミュニティの管理コスト下げてくのも、そのコストをメンバー管理者関係なく按分していくのも重要だよね」という結論が自分の中で確信に変わりつつある。

ところで、本当はどう思っているか

  • できる = していい をもう少しコミュニティに根付かせたい
    • 全員が管理者になることで直感的に便利だと思った方に成長させていきたい
    • コミュニティ内でエンジニアの割合減ってるから厳しいという気持ちになってきてる
  • 管理者による入場時スクリーニング が果たして誰の何を評価するプロセスなのか不明瞭
    • 私は管理者の一人でありながら、メンバーを入場させたことは一度もないが、これが大きな理由である
    • ここらへんなんとかならないものかしら